ED治療薬を徹底比較!持続時間・勃起力と副作用の違いを医師が解説

バイアグラ・レビトラ・シアリスのどれを選べばよいか、迷っていませんか。
ED治療薬は同じPDE5阻害薬でも、効果が現れるまでの時間・勃起力の強さ・副作用の出やすさがそれぞれ異なります。
「一番効く薬を選びたい」という気持ちはわかりますが、強い薬ほどリスクも高くなる点は正しく理解しておく必要があります。
この記事では3種の違いを比較表で整理した上で、副作用の見分け方・禁忌薬・ジェネリックの費用相場まで、安全に治療を進めるために知っておくべき情報を医学的な根拠とともにまとめています。
- バイアグラ・レビトラジェネリック・シアリスの持続時間・勃起力・副作用の比較
- 持続時間・副作用の少なさ・食事への影響を軸にした自分に合う薬の選び方
- 服用後に自宅で様子を見てよい副作用とすぐ受診が必要な症状の判断基準
- 硝酸薬・心疾患・肝機能障害など服用できない条件と禁忌薬の種類
- 先発薬とジェネリックの違いと1錠あたりの費用相場・安全な入手方法
ED治療薬3種の比較一覧(持続時間・勃起力・副作用の出やすさ)

日本国内で処方されている主なED治療薬は、バイアグラ(シルデナフィル)・レビトラジェネリック(バルデナフィル)・シアリス(タダラフィル)の3種類です。
いずれもPDE5阻害薬に分類されますが、持続時間・勃起力・副作用の出やすさはそれぞれ異なります。
「どれが最もよい薬か」という単純な答えはなく、体質・ライフスタイル・持病の有無によって最適な選択肢が変わるため、3種の違いを正確に理解することが安全な服用の第一歩です。
下表に3種の主要スペックを整理します。
効果の数値は各薬剤の添付文書および国内臨床試験データに基づいています。
| 比較項目 | バイアグラ(シルデナフィル) | レビトラジェネリック(バルデナフィル) | シアリス(タダラフィル) |
|---|---|---|---|
| 有効成分 | シルデナフィル | バルデナフィル | タダラフィル |
| 国内承認用量 | 25mg・50mg | 10mg・20mg(ジェネリックのみ流通) | 5mg・10mg・20mg |
| 効果発現時間 | 服用後30〜60分 | 服用後15〜30分 | 服用後1〜2時間 |
| 効果持続時間 | 約4〜6時間 | 約5〜8時間 | 最大約36時間 |
| 勃起力の特徴 | バランス型 | 3種中最も強いとされる | マイルドで持続的 |
| 食事の影響 | 受けやすい(特に高脂肪食) | 比較的受けにくい | ほとんど受けない |
| 主な副作用 | 頭痛・ほてり・目の充血 | 頭痛・ほてり・目の充血(頻度やや高め) | 消化不良・背部痛・頭痛 |
| 頭痛の発現頻度 | 1%以上 | 10%以上(約11.7%) | 1%以上(約17.4%※高用量時) |
| 毎日服用タイプ | なし | なし | あり(タダラフィル2.5mg・5mg) |
※シアリス20mgの国内用量反応試験での頭痛発現は86例中15例(17.4%)。
ただしシアリスは頭痛よりも消化器系・筋骨格系の副作用が他の2剤より多い傾向があります(浜松町第一クリニック 臨床データより)。
バイアグラ(シルデナフィル)の特徴まとめ
バイアグラは1999年に国内販売が開始された、世界初のED治療薬です。
有効成分はシルデナフィルで、20年以上にわたる豊富な使用実績と安全性データが蓄積されています。
現在は後発品(ジェネリック)のシルデナフィル錠も広く流通しており、コスト面で選びやすくなっています。
服用後30〜60分で効果が現れ、約4〜6時間作用が続くのが一般的なパターンです。
浜松町第一クリニックが処方患者を対象に収集した臨床データでも、体感持続時間は添付文書の記載より短く出る傾向が報告されており、計画時には余裕を持ったタイミング設定が望まれます。
効果が現れやすい条件として、空腹時または消化が落ち着いた状態での服用が推奨されています。
高脂肪の食事の後に服用した場合、吸収速度が落ちて効果発現が遅れたり、最高血中濃度が下がったりすることが添付文書でも確認されています。
副作用で最も多く報告されているのは、顔のほてり・頭痛・目の充血の3つです。
これらはいずれも血管拡張作用によるもので、薬の効果が消えれば自然に収まるケースがほとんどです。
バイアグラを服用してはいけないケースとして、硝酸薬(ニトログリセリン・硝酸イソソルビド・ニコランジルなど)を使用中の方があります。
これらの薬との併用により血圧が急激に低下し、命に関わる危険があります。
狭心症や心疾患で治療中の方は、ED治療薬の使用可否を必ず主治医に確認してください。
- 効果発現が比較的早く、服用から1時間前後でピークに達する
- 4〜6時間の持続時間はその日の性行為に向いたスケジュール感
- 空腹時服用で効果が出やすく、食後は発現が遅れるリスクがある
- 副作用の顔ほてり・目の充血は他の2剤と比べて出やすい傾向がある
- 臨床実績が最も長く、安全性データが豊富
レビトラジェネリック(バルデナフィル)の特徴まとめ
レビトラ(バルデナフィル)は2004年に国内承認されたED治療薬です。
先発品のレビトラ錠は2022年3月に製造販売が停止されており、現在は後発品のバルデナフィル錠が同等の有効性・安全性を持つ薬として流通しています。
最大の特徴は、3種の中で最も勃起力(硬さ・強さ)が強いとされている点です。
特に20mgは国内承認ED治療薬の中でも最大級の効果が報告されており、他の薬で効果を感じにくかった方に処方されるケースがあります。
また、服用後15〜30分という即効性の高さも特徴のひとつです。
食事の影響については、バイアグラほど受けにくいとされていますが、完全に影響がないわけではありません。
高脂肪の食事のすぐ後よりも、空腹時もしくは軽めの食事後に服用するほうが効果が安定しやすいとされています。
副作用については注意が必要です。
頭痛の発現頻度はバイアグラやシアリスの「1%以上」に対し、バルデナフィルでは「10%以上(約11.7%)」と、3種の中で最も高い数値が添付文書に記載されています。
ほてりや目の充血の報告も同様に多い傾向があります。
勃起力が強い分、血管への作用も強くなりやすいためと考えられます。
また、視神経への影響についても留意が必要です。
PDE5阻害薬全般にNAION(非動脈炎性前部虚血性視神経症)との関連が報告されており、45歳以上の男性では服用後一定期間、発現リスクが上昇するとのデータがあります。
糖尿病・高血圧・高脂血症など循環器系の基礎疾患を持つ方は、事前に医師へ相談することをお勧めします。
- 3種の中で最も強い勃起力が期待できる
- 即効性が高く、15〜30分で効果が現れやすい
- 頭痛・ほてりの副作用発現頻度は3種の中で最も高い(約11.7%)
- 先発薬の流通はすでに停止されており、現在はジェネリックのみ
- 高脂肪食後は避け、できるだけ空腹に近い状態で服用するとよい
シアリス(タダラフィル)の特徴まとめ
シアリス(タダラフィル)は3種の中で最も長い持続時間を持つED治療薬です。
20mg投与後、最大約36時間の有効性が認められており、「ウィークエンドピル」とも呼ばれています。
服用してから翌日以降も効果が続くため、服用タイミングを性行為の直前に合わせる必要がない点が、他の2剤と大きく異なります。
性行為の予定が数時間後に決まっているような状況では、シアリスよりも即効性の高い薬を選んだほうが確実な場合もあります。
食事の影響をほとんど受けない点は大きな利点です。
食前・食後を問わず服用できるため、日常生活への制約が少なく、継続的な治療がしやすいとされています。
副作用のパターンはバイアグラ・バルデナフィルとは異なります。
顔のほてりや目の充血はシアリスでは比較的少ない一方で、消化不良・胸焼け・背部痛・筋肉痛といった消化器系・筋骨格系の症状が他の2剤より多く報告されています。
シアリス20mgの国内試験では86例中39例に副作用が認められており、その中で消化不良が4例(4.7%)・背部痛が1例(1.2%)含まれていました。
これらの症状は服用翌日の朝に現れるケースもあるとされています。
また、タダラフィルには低用量(2.5mg・5mg)を毎日服用する「デイリー療法」があります。
毎日一定量を服用することで常に血中濃度を維持し、自然な性行為のタイミングに対応できる設計です。
心因性EDや、毎回服用のタイミングを気にしたくない方に選ばれることがあります。
ただし毎日服用となるため、副作用が持続するリスクや薬の相互作用についての確認が不可欠です。
- 最大36時間という長い持続時間で、服用タイミングの自由度が高い
- 食事の影響をほとんど受けず、日常生活に組み込みやすい
- 顔のほてりや充血は少ないが、消化器系・筋骨格系の副作用が出やすい
- デイリー療法(低用量毎日服用)が選択できる唯一の薬
- 効果発現まで1〜2時間かかるため、即効性は最も低い
持続時間・勃起力・副作用の少なさで選ぶED治療薬の判断基準

ED治療薬を選ぶ際に重視すべき基準は、「何を一番に改善したいか」によって変わります。
同じPDE5阻害薬でも、勃起力・持続時間・副作用プロファイルはそれぞれ異なるため、自分の優先順位を明確にした上で医師に相談することが、治療を安全に進める最短ルートです。
日本国内で処方できるED治療薬の奏効率は平均約80%とされており、適切な薬を選べば多くのケースで改善が期待できます。
器質性EDは動脈硬化や糖尿病・高血圧など生活習慣病を背景に持つケースが多く、血管へのダメージが大きいほど薬の効果が出にくくなる傾向があります。
心因性EDは体の構造的な問題が少ないため、比較的どの薬でも効果を感じやすいとされています。
以下では、重視する観点ごとに、どの薬が優先候補になるかを整理します。
勃起の硬さと強さを最優先にしたい場合
勃起力の強さ・硬さを最も重視するなら、バルデナフィル(レビトラジェネリック)が優先候補になります。
3種の中で最も強い勃起効果が期待でき、特に20mgは国内承認ED治療薬の中でも最大級の強度とされています。
ヨーロッパの研究者が19,724人の患者を対象に行った有効性分析では、4つの評価指標のうち「挿入の成功率」「性交の維持」に関わる項目でバルデナフィルが上位の評価を得ています。
また同研究の「勃起が改善したか」という主観評価では、タダラフィル・バルデナフィル・シルデナフィルの順でした。
強さと即効性の両方を求める場合は、バルデナフィルが最も適した選択肢といえるでしょう。
バルデナフィルは血管拡張作用が強い分、頭痛の発現頻度が約11.7%と3種中最高値です。
初めて服用する場合は10mgから試し、体の反応を確認してから20mgへの増量を医師と相談するのが安全な進め方です。
- 他のED治療薬で効果が不十分だった経験がある
- 即効性も同時に求めている
- 頭痛・ほてりの副作用が出ても許容できる体質かどうか
- 心臓や血圧に関する持病・服用薬がないか
「硬さ最優先」という希望は理解できますが、体の準備ができていない状態での高用量使用は危険を伴います。
必ず医師の診察を受けた上で処方量を決めてください。
効果の持続時間を重視して選びたい場合
持続時間を最優先にするなら、タダラフィル(シアリス)が唯一の選択肢です。
最大約36時間という持続時間は他の2剤を大きく上回り、金曜の夜に服用しても週末の翌日まで効果が続く設計から「ウィークエンドピル」と呼ばれています。
性行為の直前に服用する必要がないため、薬を飲んだことが相手にわかりにくいというメリットもあります。
また、服用のタイミングに失敗するリスクも低く、精神的な余裕が生まれる点を評価する方も多いです。
一方で、即効性は3種中最も低く、効果が現れるまで1〜2時間かかることがあります。
「30分後に確実に効かせたい」という場面では適していません。
また、効果が36時間持続するということは、副作用も長く続く可能性があることを意味します。
消化不良や背部痛が出た場合、その不快感が翌日まで続くリスクがある点は、シアリスを選ぶ上で事前に理解しておく必要があります。
| 持続時間の目安 | バイアグラ(シルデナフィル) | バルデナフィル | シアリス(タダラフィル) |
|---|---|---|---|
| 添付文書の目安 | 4〜6時間 | 5〜8時間 | 最大36時間 |
| 患者の体感平均 | 目安より短い傾向 | 目安より短い傾向 | 最も長く続く |
| 即効性 | 30〜60分 | 15〜30分 | 1〜2時間 |
持続時間を重視する場合の確認ポイント
- 性行為のタイミングが読みにくいライフスタイルである
- 複数回の性行為を1日以上の幅で考えている
- 消化器系の症状が出ても対処しやすい環境にある
- 毎日服用のデイリー療法も選択肢として検討できる
副作用のリスクを最小限に抑えて選びたい場合
副作用の少なさを最優先にする場合も、タダラフィル(シアリス)が第一候補になります。
顔のほてり・目の充血・頭痛といった血管拡張系の副作用は、3種の中でタダラフィルが最も少ないとされています。
世界のED治療薬シェアでシアリスが2013年以降トップになった背景には、この副作用の出にくさも一因と考えられています。
タダラフィルには消化不良・胸焼け・背部痛・筋肉痛という独自の副作用があります。
特に消化器系の症状は服用翌日の朝に現れるケースもあり、翌朝の業務や外出に支障が出ることがあります。
これらはバイアグラやバルデナフィルにはほとんど見られない症状のため、どちらの副作用が自分にとって許容しやすいかを考えることが重要です。
ED治療薬の副作用を比較すると、次の傾向が見えてきます。
| 副作用の種類 | バイアグラ | バルデナフィル | シアリス |
|---|---|---|---|
| 顔のほてり・潮紅 | 出やすい | 出やすい | 比較的少ない |
| 頭痛 | 1%以上 | 約11.7%(最多) | 1%以上 |
| 目の充血 | 出やすい | 出やすい | 比較的少ない |
| 消化不良・胸焼け | 少ない | 少ない | 出やすい(固有) |
| 背部痛・筋肉痛 | まれ | まれ | 出やすい(固有) |
| 鼻づまり | 出ることがある | 出ることがある | 出ることがある |
高血圧や糖尿病など生活習慣病を持つ方は、ED治療薬を服用できないケースが「多い」と思い込んでいる方がいます。
しかし実際には、病状がある程度コントロールされていれば多くの場合に服用可能です。
問題になるのは血圧管理が不安定な場合や、心疾患の治療で硝酸薬を使用している場合です。
自分の服用薬とED治療薬の相互作用については、必ず処方を担当する医師に確認することをお勧めします。
食事や服用タイミングの影響を受けにくい薬を選びたい場合
食事の影響を受けにくいことを優先する場合は、タダラフィル(シアリス)が最も適しています。
タダラフィルは食前・食後に関わらず一定の吸収率が維持されるため、食事との時間調整が不要です。
外食後や飲み会の席でも、タイミングを気にせず服用できる点が生活スタイルへの組み込みやすさにつながっています。
バルデナフィルはバイアグラほど食事の影響は受けにくいとされていますが、高脂肪食直後は吸収が落ちる可能性があるため、完全に影響がないわけではありません。
バイアグラは最も食事の影響を受けやすく、高脂肪食後の服用では効果発現が大幅に遅れたり、最大効果に達しにくくなったりすることが添付文書でも確認されています。
服用タイミングという観点では、最も管理が楽なのはタダラフィルのデイリー療法です。
毎日同じ時間に低用量を服用することで常に有効成分を体内に維持するため、「いつ必要になるかわからない」という状況でも対応できます。
デイリー療法の用量は2.5mg・5mgと通常用量よりも低いため、副作用も抑えられる傾向があります。
- 外食が多い・食事のコントロールが難しい → タダラフィルが最も安定した選択肢
- 性行為のタイミングがある程度決まっている → バイアグラやバルデナフィルも選択肢になる
- 毎回服用のタイミングを考えたくない → タダラフィルのデイリー療法を医師に相談する
- 即効性も必要で、食事への配慮もしたい → バルデナフィルが中間的な選択肢
服用タイミングに関して1点補足すると、いずれの薬も「飲めば必ず効く」ものではありません。
性的刺激を受けた状態でなければ効果は現れず、精神的な緊張や過度なアルコールは薬の効果を弱める要因になります。
薬の選択と同時に、服用環境を整えることも治療の一部です。
ED治療薬の副作用を種類別に理解する

ED治療薬の副作用はすべて、血管を拡張する薬理作用から派生しています。
陰茎の血管だけでなく、全身の血管に同様の作用が及ぶため、体のさまざまな部位に症状が現れることがあります。
副作用のほとんどは薬の効果が消えると自然に治まる一過性のものですが、なかには緊急の受診が必要な症状も存在します。
どの症状が様子見でよいもので、どの症状がすぐに対処が必要なものかを事前に理解しておくことが、安全な服用の前提条件です。
頭痛・顔のほてり・目の充血が起きる仕組み
頭痛・顔のほてり・目の充血は、ED治療薬で最も多く報告される副作用です。
いずれも血管拡張作用が陰茎以外の部位にも及ぶことで起きます。
頭痛が起きるのは、薬の血管拡張作用が脳周囲の血管にも作用し、拡張した血管が周辺の神経を圧迫・刺激するためです。
添付文書の国内臨床試験データでは、頭痛の発現率はバルデナフィル20mgで約11.7%、シルデナフィル50mgで約3.87%、タダラフィル20mgで0.2〜1%未満とされています。
勃起効果の強い薬ほど頭痛が出やすい傾向と一致しており、血管への作用の強さと副作用の頻度は比例する関係にあります。
頭痛が出た場合の対処として、ロキソプロフェンなどの解熱鎮痛薬を使用することが多くの医師から認められています。
また、ED治療薬の用量を必要最小限に下げることで頭痛の頻度が減るケースもあります。
用量の変更は必ず医師に相談の上で行ってください。
顔のほてりは、真皮の毛細血管が拡張することで起きる血流増加の結果です。
体感としては飲酒後のような顔の赤みや熱感として感じられ、目の充血は眼球表面の細血管が広がることで起きます。
発現率はバルデナフィルで約10.6%、バイアグラ(シルデナフィル)では血管拡張全体として5.78%と報告されています。
タダラフィルでは潮紅・ほてりが他の2剤よりも少ない傾向があり、顔面の症状が出にくい薬として位置づけられています。
これらの症状は薬の作用時間が終わると自然に消えていきます。
後遺症を残すことはほとんどなく、症状が出ても薬の効果が持続している間は続く可能性がありますが、異常が長引く・悪化するといった場合は医師に報告することをお勧めします。
めまい・動悸・鼻づまりの発現頻度と対処の考え方
めまい・動悸・鼻づまりは、頭痛やほてりよりも発現頻度は低いものの、日常生活の中で不快感を覚えやすい副作用です。
それぞれの発生メカニズムと対処の考え方を理解しておくと、服用後の不安を軽減できます。
めまいが起きるのは、血管が広がることで血圧が一時的に低下するためです。
特に立ち上がった際に血圧が下がりやすい起立性低血圧が起きやすく、急に立ち上がる動作は服用後しばらく控えたほうが安全です。
アルコールとED治療薬の併用はこのリスクをさらに高めます。
アルコール自体にも血管拡張作用があるため、両者が重なると過剰な血圧低下につながる可能性があります。
服用当日の飲酒は少量にとどめるか、できれば避けることが望まれます。
動悸は、血管拡張への代償反応として心拍数がわずかに上がることで生じます。
バルデナフィルの添付文書では心悸亢進が1%の発現率として記載されています。
軽度の動悸はほとんどの場合一過性ですが、胸への圧迫感・息苦しさを伴う場合は心臓への影響が疑われるため、後述する重篤な副作用の項目で確認してください。
鼻づまりは、鼻腔粘膜の血管が拡張することで起きます。
3剤いずれでも報告されており、特定の薬に偏った特徴はありません。
市販の点鼻薬を使用することは一般的に問題ありませんが、鼻腔内血管収縮成分を含む薬は血圧に影響を与えることがあるため、成分を確認の上で使用するか、医師に相談することを勧めます。
| 副作用の種類 | 主な発現率の目安 | 主な原因 | 基本的な対処の方向性 |
|---|---|---|---|
| めまい | 1%前後(各剤) | 血圧低下・体位変換 | 急な立ち上がりを避ける・飲酒量を減らす |
| 動悸・頻脈 | 0.1〜1%(各剤) | 血管拡張への代償反応 | 軽度なら様子見・胸痛を伴う場合は即受診 |
| 鼻づまり | 各剤で報告あり | 鼻腔粘膜の血管拡張 | 市販点鼻薬で対応可・成分要確認 |
| 消化不良・胸焼け | タダラフィルで報告多い | 消化管への影響 | 食事内容を調整・持続する場合は医師へ |
| 背部痛・筋肉痛 | タダラフィルで固有症状 | 機序不明(タダラフィル特有) | 服用翌日に出ることがある・通常は自然消失 |
数値は各薬剤添付文書の国内臨床試験データを参考にしています。
個人差が大きく、同じ薬でも体調・飲酒量・食事内容によって出方が変わることを理解しておいてください。
重篤な副作用として報告されている症状と発生条件
ED治療薬の副作用のほとんどは軽度・一過性ですが、ごく一部に緊急受診が必要な重篤な症状が存在します。
発生頻度は低いものの、発生した場合に対応が遅れると取り返しのつかない結果になる可能性があるため、服用前に必ず確認しておく必要があります。
持続勃起症は、勃起が4時間以上続いた状態を指します。
性的刺激がなくなっても勃起が収まらず、疼痛を伴うことが多いのが特徴です。
放置すると陰茎海綿体が虚血状態になり、組織に非可逆的な損傷が起きるリスクがあります。
12〜24時間以上継続すると永続的な勃起不全に至る可能性があると報告されています。
4時間を目安として、それ以上続く場合はただちに泌尿器科または救急医療機関を受診してください。
自己判断での様子見は厳禁です。
突然の視力低下・視野の欠損は、NAION(非動脈炎性前部虚血性視神経症)の可能性があります。
痛みを伴わず、起床時に片方の目で突然見えにくくなるという形で自覚されることが多いとされています。
PDE5阻害薬全般との関連が報告されており、45歳以上で糖尿病・高血圧・高脂血症などの基礎疾患を持つ男性はリスクが高い層として位置づけられています。
NAIONが疑われる場合は、服用をただちに中止し、速やかに眼科専門医を受診してください。
青視症・彩視症は、視野が青みがかって見えたり色覚に異常が生じる症状で、主にシルデナフィルで報告されています。
これはシルデナフィルが網膜のPDE6にも一部作用するためとされており、多くは一過性ですが、持続する場合や視力低下が伴う場合は眼科への相談が必要です。
心血管系の症状として、胸への強い圧迫感・胸痛・息苦しさが出た場合は緊急対応が必要です。
バイアグラの市販後の自発報告において、心筋梗塞の発症例が報告されています。
多くの場合は服用前から心血管系の危険因子を持っていた方での発症であり、薬単独の原因であるかは特定が困難とされています。
心筋梗塞・脳梗塞・脳出血の発症から6ヶ月以内の方、安静時の収縮期血圧が90mmHg未満または170mmHgを超える方は、添付文書で服用が慎重な対象に該当します。
- 硝酸薬の併用(ニトログリセリン・硝酸イソソルビド・ニコランジルなど)
- 6ヶ月以内の心筋梗塞・脳梗塞・脳出血の既往
- コントロール不良の高血圧・低血圧
- 重度の肝機能障害・腎機能障害
- 網膜色素変性症の既往
- 持続勃起症の素因となりうる疾患(鎌状赤血球性貧血・白血病など)
これらに該当する方は、ED治療薬を服用できないケース、または特別な注意が必要なケースに相当します。
該当するかどうかを正確に判断するには、自己判断ではなく医師の診察が不可欠です。
副作用が出たとき「様子見でいい症状」と「すぐ受診すべき症状」の見分け方

ED治療薬を初めて服用した方、または服用後に体の変化を感じた方が最も不安になるのは、「この症状は放っておいていいのか、それとも受診が必要なのか」という判断です。
前のセクションで副作用の種類と発生頻度を確認しましたが、ここでは「対処の判断基準」という視点に絞って整理します。
結論から言えば、ED治療薬の副作用の9割以上は薬の作用時間が終わるとともに自然に消える一過性のものです。
この2種類を混同しないための判断軸を持っておくことが、安全な治療継続の前提になります。
服用後に自宅で対処できる副作用の目安
自宅での様子見が許容される副作用の共通点は3つあります。
第一に、症状が薬の効果時間の範囲内に収まっていること。
第二に、症状の強さが軽度から中等度であること。
第三に、症状が悪化せずに徐々に落ち着いていくこと。
この3点をすべて満たす場合は、まず安静にしながら経過を見ることで対処できます。
代表的な自己対処が可能な症状と目安の対処法を以下に整理します。
| 症状 | 自然に治まる目安 | 自宅での対処 |
|---|---|---|
| 顔のほてり・潮紅 | 服用後30分〜数時間 | 冷たいタオルで顔・首を冷やす・水分補給 |
| 頭痛 | 数時間以内 | 安静・冷却・ロキソプロフェン等(胃薬併用) |
| 目の充血 | 薬の効果時間内 | 目を休める・刺激を避ける |
| 鼻づまり | 薬の効果時間内 | 市販点鼻薬(成分確認の上) |
| 軽度のめまい | 横になれば改善 | 安静・急な立ち上がりを避ける |
| 消化不良・胸焼け(軽度) | 数時間〜翌朝 | 脂肪の少い食事・胃腸薬 |
| 背部痛・筋肉痛(軽度) | 翌日〜数日 | 安静・温罨法・市販の鎮痛薬 |
薬の効果持続時間には3剤間で大きな差があります。
バイアグラとバルデナフィルは約4〜8時間を目安に作用が終わりますが、タダラフィル(シアリス)は最大36時間と非常に長い薬です。
タダラフィルを服用した場合、翌日に背部痛や消化不良が残っていても「まだ薬が作用している時間帯」の可能性があります。
症状が薬の持続時間内に発生していて軽度・改善傾向にあるなら、引き続き様子を見ることができます。
頭痛への対処として解熱鎮痛薬を使用する場合は、ロキソプロフェンとED治療薬の組み合わせが多くの医師から認められています。
ただし胃への負担があるため、軽食を済ませてから服用するか、胃薬を並行して使うことをお勧めします。
強い眠気を伴う市販頭痛薬は、安全上のリスクになる場合があるため、成分を確認することが大切です。
また、副作用が出た際に性行為を無理に継続すると症状が悪化する可能性があります。
症状を感じたらまず中断し、安静にしながら経過を観察するのが基本的な対応です。
放置すると危険なサインと受診が必要なケース
薬の効果時間内であっても即座に行動が必要な状況です。
受診先と対応の速さを症状ごとに整理します。
受診が必要な症状の判断基準
| 症状 | 緊急度 | 対応する受診先 | 行動の目安 |
|---|---|---|---|
| 勃起が4時間以上続く(痛みの有無にかかわらず) | 緊急 | 泌尿器科・救急 | 4時間を超えたらただちに受診 |
| 片目または両目の急激な視力低下・視野欠損 | 緊急 | 眼科・救急 | 症状に気づいたらただちに受診 |
| 胸の圧迫感・締めつけ感・胸痛 | 緊急 | 救急(119番) | 胸痛があれば服用中止・救急要請 |
| 息苦しさ・呼吸困難 | 緊急 | 救急(119番) | 服用中止・救急要請 |
| 突然の耳鳴り・急激な聴力低下 | 速やかに | 耳鼻科 | 症状発生後、できる限り早期に受診 |
| 顔・喉の腫れ・皮膚の発疹・強いかゆみ | 緊急 | 救急 | アレルギーの可能性・ただちに受診 |
| 薬の作用時間を超えても続く強い頭痛 | 早めに | 処方した医師・内科 | 翌日以降も改善しない場合は受診 |
各症状について、なぜ放置が危険なのかを理解しておくことが重要です。
勃起が4時間以上続く持続勃起症は、陰茎海綿体が血液の流出できない虚血状態になり、組織が損傷します。
発症から12〜24時間が経過すると非可逆的なダメージが残り、永続的な勃起不全につながる可能性が報告されています。
痛みが弱くても放置は厳禁です。
突然の視力低下・視野欠損は、NAION(非動脈炎性前部虚血性視神経症)の可能性があります。
PDE5阻害薬の添付文書では、バルデナフィルの場合は服用後約1日以内(半減期の5倍の時間)にNAION発現リスクが約2倍になると報告されています。
50歳以上・糖尿病・高血圧・高脂血症・喫煙歴を持つ方は特にリスクが高く、服用後に一方の目で突然見えにくくなったと気づいた場合はただちに眼科を受診してください。
早期の治療開始が予後を左右します。
胸痛・息苦しさは心血管系の緊急事態のサインです。
ED治療薬の市販後報告において心筋梗塞が発症した例が確認されており、特に心疾患の危険因子を持つ方での発症リスクが高いとされています。
胸に違和感を感じたら服用をただちに中止し、独力で病院へ向かうのではなく119番に連絡することが推奨されます。
突発性難聴・急激な耳鳴りについても、PDE5阻害薬投与後にまれな報告があります。
服用との因果関係は確定していませんが、服用後に聴力の急激な低下を感じた場合は速やかに耳鼻咽喉科を受診してください。
突発性難聴は発症から72時間以内の治療開始が回復率に大きく影響すると日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が示しており、タイミングの遅れが回復を著しく妨げます。
- 服用した薬の名称・用量・服用時刻
- 現在服用中の他の薬の一覧(お薬手帳があれば持参)
- 症状が始まった時間と経過
- 既往歴(心疾患・高血圧・糖尿病など)
ED治療薬を処方した医師のクリニックが閉院時間外の場合、処方された際に緊急連絡先や対応方法を確認しておくと安心です。
24時間対応のオンライン診療窓口を設けているクリニックも増えており、軽度の副作用相談であれば診察時間外でも対応可能な場合があります。
ED治療薬を服用してはいけない人の条件と禁忌薬の種類

ED治療薬は医師の診察なしに服用できない処方箋医薬品です。
その理由のひとつが、服用できない人の条件が明確に定められているためです。
添付文書に記載された禁忌事項は、単なる注意書きではなく、該当する方が服用した場合に生命に関わる重大な危険が生じる可能性があることを示しています。
「自分は大丈夫だろう」という自己判断で服用することが、最も避けるべき行為です。
下表はバイアグラ(シルデナフィル)添付文書に定められた禁忌事項の一覧です。
他の2剤(バルデナフィル・タダラフィル)も同様の禁忌規定を持っています。
| 禁忌の条件 | 主な理由 |
|---|---|
| 本剤成分への過敏症の既往 | アナフィラキシーなどの重篤なアレルギー反応リスク |
| 硝酸薬・NO供与剤の使用中 | 血圧の急激な低下・ショック・死亡リスク |
| 性行為が不適当と判断される心血管系障害 | 性行為による心臓への負荷が生命リスクになる |
| 重度の肝機能障害 | 薬の代謝遅延による血中濃度過剰上昇 |
| 低血圧(収縮期血圧90mmHg未満・拡張期50mmHg未満) | 血圧がさらに低下し失神・循環不全リスク |
| 管理されていない高血圧(収縮期170mmHg超・拡張期100mmHg超) | 急激な血圧変動による心血管事故リスク |
| 6ヶ月以内の心筋梗塞・脳梗塞・脳出血の既往 | 心血管系が回復途上にあり追加負荷が危険 |
| 網膜色素変性症 | PDE6への作用により視覚障害が悪化するリスク |
| アミオダロン塩酸塩(経口剤)使用中 | QTc延長による危険な不整脈リスク |
| リオシグアト(アデムパス)使用中 | 同一経路への重複作用による制御不能な血圧低下 |
出典は日経メディカル処方薬事典掲載のバイアグラ錠添付文書(2024年4月改訂版)に基づいています。
硝酸薬・抗不整脈薬との併用が禁忌になる理由
硝酸薬との併用が禁忌になる理由を理解するには、両者の作用経路が重複している点を把握する必要があります。
ED治療薬は、PDE5という酵素を阻害することでcGMP(環状グアノシン一リン酸)という物質の分解を防ぎ、血管を拡張させます。
硝酸薬も同じくNO-cGMP経路を通じて血管拡張作用を持つ薬です。
この2つを同時に服用すると、血管拡張作用が重複して増幅し、血圧が制御不能なほど急激に低下します。
その結果、失神・心筋虚血・心停止に至る可能性があります。
PMDAが公開した安全性情報においても、硝酸薬とED治療薬の併用による重篤な有害事象が国内症例として報告されています。
狭心症で治療中の方は特に注意が必要です。
硝酸薬は飲み薬だけでなく、舌下錠・貼り薬・注射・スプレーなど多様な剤形で用いられています。
普段使っていない形態の薬でも、処方歴がある場合は服用を申告しなければなりません。
また、狭心症の発作時に備えてニトログリセリン製剤を「念のため携帯している」方も禁忌に該当します。
ED治療薬の服用中に発作が起きてもニトロを使えなくなるため、そのリスク管理も含めて医師が判断します。
アミオダロン塩酸塩(商品名アンカロン)との併用が禁忌とされているのは、QTc延長(心臓の電気的な興奮と回復にかかる時間の延長)を引き起こす可能性があるためです。
これが起きると致死的な不整脈に発展する危険があります。
機序は完全に解明されていませんが、ED治療薬との類薬での報告を踏まえて、経口剤のアミオダロン使用中は禁忌として設定されています。
リオシグアト(アデムパス)は肺高血圧症の治療薬で、ED治療薬と同じNO-cGMP経路に作用します。
両者の作用が重なることで血圧が極めて大きく低下し、肺高血圧症のような循環動態が不安定な患者では致死的な循環不全に至る危険があります。
ED診療ガイドラインでも絶対的併用禁忌と明記されています。
自分が服用中の薬にこれらが含まれているかどうかがわからない場合は、お薬手帳を持参してED治療を行う医師に確認してください。
薬の商品名が変わっても有効成分が同じであれば禁忌に該当します。
心疾患・肝機能障害・低血圧がある場合の注意点
心疾患・肝機能障害・血圧異常のある方はED治療薬の服用が制限される可能性があります。
心疾患については、性行為そのものが心臓への負荷を伴う運動に相当するという前提があります。
バイアグラの添付文書には「性行為は心臓へのリスクを伴うため、勃起不全の治療を開始する前に心血管系の状態に注意をはらうこと」と明記されています。
6ヶ月以内に心筋梗塞・脳梗塞・脳出血を発症した方は回復途上にあり、その期間は服用の禁忌とされています。
6ヶ月を経過している場合でも、心血管系の状態次第では服用できないケースがあります。
かかりつけの循環器内科医に現在の心臓の状態を確認した上で、ED治療を行う医師に伝えることが安全な対応です。
肝機能障害については、代謝の問題が核心です。
ED治療薬は主として肝臓で代謝されます。
シルデナフィルを例に取ると、重度の肝機能障害患者では健常者と比較して最高血中濃度が約47%、薬物濃度-時間曲線下面積が約85%上昇し、クリアランスは46%低下するとの試験データがあります。
これは、肝機能が重篤に低下した場合、想定の約2倍近い量の薬が血中に蓄積するリスクを意味します。
中等度以下の肝機能障害では低用量から慎重に使用できる場合があり、個別の判断が必要です。
血圧については、低血圧と管理されていない高血圧の両方が禁忌に含まれている点が特徴的です。
安静時の収縮期血圧が90mmHg未満・拡張期血圧が50mmHg未満の低血圧患者では、ED治療薬の血管拡張作用でさらに血圧が低下し、失神や循環不全のリスクがあります。
管理されていない高血圧の基準は安静時の収縮期血圧が170mmHgを超える、または拡張期血圧が100mmHgを超えるケースです。
これらに該当しても、医師の管理下で血圧がコントロールされていれば服用可能な場合があります。
自己測定値や最終の受診時のデータをED治療の医師に提示すると、判断がスムーズになります。
網膜色素変性症の方は、網膜のホスホジエステラーゼに遺伝的障害を持つ症例が含まれていることから、視覚機能への影響を懸念して禁忌とされています。
グレープフルーツとアルコールが影響する仕組み
グレープフルーツとアルコールは、ED治療薬との飲み合わせで注意が必要な食品です。
薬との相互作用が生じるメカニズムはそれぞれ異なりますが、どちらも副作用リスクを高める方向に働きます。
グレープフルーツが問題になるのは、含まれる「フラノクマリン」という成分が薬物代謝酵素のCYP3A4(シトクロムP450 3A4)を阻害するためです。
CYP3A4は小腸上皮細胞に存在し、ED治療薬を含む多くの薬物を吸収過程で一定量分解する役割を担っています。
グレープフルーツを摂取すると、このCYP3A4の働きが抑制されます。
本来は分解されるはずの薬の成分が分解されないまま血中に移行するため、血中濃度が想定を大幅に超えて上昇します。
日本薬学会は、グレープフルーツジュース摂取後のCYP3A4阻害は不可逆的であり、その影響が摂取から約3日間持続すると説明しています。
つまり、グレープフルーツを食べた翌日や翌々日にED治療薬を服用しても、同様のリスクが残ります。
ジュースは果汁が濃縮されているためフラノクマリンの量が多く、特に影響を受けやすい点も留意が必要です。
グレープフルーツとの相互作用はシルデナフィル・バルデナフィル・タダラフィルの3剤すべてで確認されていますが、バルデナフィルは生物学的利用率が低い薬のため、この影響を特に受けやすいとされています。
グレープフルーツ以外のかんきつ類でも同様の成分を含む品種があるため、スウィーティーやはっさくなども避けることをお勧めします。
アルコールについては、ED治療薬との相互作用のメカニズムが異なります。
アルコール自体にも血管拡張作用があり、ED治療薬と同時に摂取すると、両者の血管拡張作用が重なって過剰な血圧低下が起きやすくなります。
めまい・立ちくらみ・失神のリスクが高まり、過度の飲酒下ではED治療薬の効果も低下することがあります。
飲酒の目安は服用当日は2杯程度にとどめるか、できるだけ控えることです。
タダラフィルは最大36時間の効果持続があるため、飲酒を避けるべき期間も他の2剤より長くなります。
- グレープフルーツの影響は果実・果汁ともに服用から最大3日間持続する
- 近縁のかんきつ類(スウィーティー・はっさく・ダイダイなど)も同様のリスクがある
- アルコールは少量なら完全には禁止されていないが、飲みすぎは過剰な血圧低下を招く
- タダラフィルを服用した場合は翌日以降の飲酒も影響を受ける可能性がある
- 「グレープフルーツで服用すると効果が上がる」という誤解があるが、副作用リスクが上がるのみで安全上問題がある
先発薬とジェネリックの違いと1錠あたりの費用目安

ED治療薬には、製薬会社が最初に開発した「先発薬」と、特許満了後に別の製薬会社が製造する「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」の2種類があります。
価格の差が大きいため「ジェネリックは効き目が落ちるのでは」と不安を感じる方も多いですが、国内で正規に承認されたジェネリックであれば、有効性・安全性は先発薬と同等であることが確認されています。
先発薬とジェネリックの最大の違いは価格です。
先発薬の開発には10〜20年の研究期間と膨大な費用がかかりますが、ジェネリックは有効成分の合成と品質試験に絞られるため、製造コストを大幅に抑えられます。
国内クリニックでのED治療薬の処方割合は先発薬1に対してジェネリックが9と、すでにジェネリックが主流となっています。
選ぶ際に押さえておきたい点が1つあります。
厚生労働省が承認した国内製のジェネリックと、インドなど海外で製造された未承認の輸入品は、名称が似ていても安全性の位置づけがまったく異なります。
国内承認品は生物学的同等性試験をクリアし、日本の品質基準に従って製造されているのに対し、海外未承認品には成分の過剰・不足・不純物混入の報告があり、健康被害も確認されています。
「安いから」という理由だけで選ぶことは避け、処方を受けるクリニックが国内正規品を扱っているかを確認することが重要です。
シルデナフィル・バルデナフィル・タダラフィルの料金相場
ED治療薬はすべて自由診療(保険適用外)であるため、クリニックによって価格差があります。
以下は2026年4月時点での国内主要クリニックの公式料金情報を参考にした目安価格です。
実際の費用は処方するクリニック・購入枚数・定期便の利用有無によって変動します。
先発薬の1錠あたり料金目安
| 薬剤名 | 用量 | 1錠あたりの目安料金 |
|---|---|---|
| バイアグラ(シルデナフィル) | 25mg | 約600〜1,000円 |
| バイアグラ(シルデナフィル) | 50mg | 約900〜1,500円 |
| バイアグラODフィルム | 25mg | 約690〜900円 |
| バイアグラODフィルム | 50mg | 約990〜1,200円 |
| シアリス(タダラフィル) | 10mg | 約1,500〜1,800円 |
| シアリス(タダラフィル) | 20mg | 約1,700〜2,000円 |
ジェネリックの1錠あたり料金目安
| 有効成分 | 用量 | 1錠あたりの目安料金 |
|---|---|---|
| シルデナフィル(バイアグラジェネリック) | 25mg | 約200〜500円 |
| シルデナフィル(バイアグラジェネリック) | 50mg | 約300〜700円 |
| バルデナフィル(レビトラジェネリック) | 10mg | 約800〜1,300円 |
| バルデナフィル(レビトラジェネリック) | 20mg | 約900〜1,600円 |
| タダラフィル(シアリスジェネリック) | 10mg | 約700〜1,200円 |
| タダラフィル(シアリスジェネリック) | 20mg | 約800〜1,500円 |
上記はあくまでも目安の範囲です。
同じ薬でも、バラ売り1錠より10錠・30錠のまとめ買い、または定期購入のほうが1錠あたり単価が下がる設計のクリニックが多く、継続使用を前提にする場合は購入方法も含めて比較することを勧めます。
費用の考え方として、バルデナフィルのジェネリックが他の2剤のジェネリックより高めに推移しているのは、先発品のレビトラが2022年に販売停止となり、ジェネリックのバルデナフィルのみが流通しているという市場環境の影響があります。
シルデナフィルは先発・ジェネリックともに競合製品が多く、3剤の中で最も価格が下がりやすい傾向にあります。
なお、ED治療薬の費用は薬剤代だけでなく、診察料・送料・システム利用料が別途かかる場合があります。
「薬代○円〜」と表示されているクリニックでも、合計費用が高くなるケースがあるため、処方を受ける前に総額を確認することをお勧めします。
安全にED治療薬を入手するための受診方法
ED治療薬は処方箋医薬品に分類されており、医師の診察なしに入手することは法律上できません。
薬局での市販や、通販サイトでの購入は国内では認められていません。
安全に入手するには、対面診療またはオンライン診療のいずれかで医師の処方を受けることが唯一の合法的な方法です。
対面診療は泌尿器科・メンズクリニック・ED専門外来などで受けられます。
医師が直接問診や必要に応じて血圧測定などを行い、服用可能かどうかを確認した上で処方されます。
持病がある方・複数の薬を服用している方・初めてED治療薬を試す方は、対面診療のほうが安心です。
特に循環器疾患や高血圧を持つ方は、かかりつけ医での事前相談と、ED治療を行うクリニックへの情報共有を合わせて行うことが望まれます。
オンライン診療は、スマートフォンやPCを通じて医師の問診を受け、処方された薬が自宅に郵送されるサービスです。
2026年4月時点では多くのクリニックがオンライン診療に対応しており、診察料を無料としているところも増えています。
移動の手間がなく受診のハードルが低い一方で、血圧の実測値など体の状態を医師が把握しにくいという制約もあります。
健康状態の申告は正確に行う必要があります。
海外通販・個人輸入については、厚生労働省が「日本国内で正規に流通している医薬品は品質・有効性・安全性が確認されているが、個人輸入される外国製品にそのような保証はない」と明確に注意喚起しています。
海外製の未承認品には、国内審査を経ていないため成分量の過剰・不足・不純物の混入といった品質リスクが伴います。
価格が安くても、これらのリスクを前提として服用する価値はないと考えてください。
- 現在服用中の薬の一覧(お薬手帳または薬の名前のメモ)
- 直近の血圧の数値(自宅や薬局での測定値)
- 既往歴のメモ(心疾患・脳血管疾患・肝疾患などの有無と時期)
- 症状の状況(どのような場面でEDが気になるか)
これらの情報を事前に整理しておくことで、医師が安全に処方できるかを正確に判断でき、最適な薬を選ぶ会話がしやすくなります。
ED治療薬に関するよくある疑問
- Q初めて服用する前に医師に伝えておくべきことは何ですか
- A
服用中の薬の名前・用量・服用期間をすべて医師に伝えることが最優先です。
ED治療薬には複数の併用禁忌薬があり、その確認なしに処方されると重大なリスクが生じます。
特に伝えるべき情報は以下の4点です。
- 現在使用中のすべての薬(市販薬・サプリメント・漢方も含む)
- 循環器系・肝臓・腎臓に関わる既往歴や現在の治療状況
- 血圧の数値(直近に測定したものがあれば)
- 過去にED治療薬を使用したことがあれば、その種類と体感・副作用の有無
「特に症状はない」と思っていても、狭心症発作の備えとしてニトログリセリンをいつでも携帯している方は処方対象外になります。
服用している薬が多い方や心疾患・高血圧・糖尿病の治療中の方は、ED専門外来だけでなくかかりつけ医にも事前に相談することをお勧めします。
- Q効果が感じられなかった場合は薬の量を増やしてもよいですか
- A
自己判断での増量は避けてください。
効果を感じなかった場合は、まず服用方法や状況に問題がなかったかを確認することが先決です。
ED治療薬が「効かなかった」と感じる理由の多くは、量の不足より服用状況に原因があります。
確認すべき主な要因を以下に整理します。
- 服用タイミング(バイアグラ・バルデナフィルは30〜60分前、シアリスは1〜2時間前が目安)
- 食事の影響(高脂肪食の直後のバイアグラは吸収が大幅に低下する)
- 性的刺激の有無(ED治療薬は自然に勃起する薬ではなく、性的刺激に対するサポート薬)
- 飲酒量(過剰なアルコールは薬の効果を打ち消す方向に働く)
- 服用回数(2〜3回試して初めて自分との相性がわかるケースがある)
これらを確認した上でも改善がない場合は、医師に相談して用量を調整するか別の薬に変更することが正しい対処です。
「効かないから2錠にした」という自己判断は副作用を増強させるだけでなく、根本的な原因を見逃す可能性があります。
- QED治療薬は毎日飲み続けても問題ありませんか
- A
通常用量(10mg・20mg)を毎日服用することは推奨されません。
ただしタダラフィルについては、低用量(2.5mg・5mg)を毎日服用する「デイリー療法」が医師の処方のもとで選択できます。
通常用量のED治療薬は「必要なときに服用する頓服薬」として設計されており、1日の服用は1回まで・投与間隔は24時間以上空けることが添付文書に定められています。
毎日服用すると薬が体内に蓄積し、副作用が持続するリスクが高まります。
タダラフィルのデイリー療法は、毎日低用量を服用することで血中濃度を一定に保ち、性行為のタイミングを気にしなくてよい状態をつくる治療法です。
通常用量の8分の1〜4分の1の量であるため副作用が出にくく、継続しやすい特徴があります。
デイリー療法を希望する場合は、担当医師への相談が必要です。
自己判断で通常用量を連日服用することとは、まったく別の治療アプローチです。
- Q勃起力や持続時間の実感には個人差がありますか
- A
大きな個人差があります。
同じ薬・同じ用量でも、体質・健康状態・服用環境・EDの原因によって効果の感じ方は人それぞれ異なります。
浜松町第一クリニックが処方患者を対象に行った調査では、体感持続時間は添付文書の記載よりも「短い」と感じる傾向があることが確認されています。
また、20〜39歳ではバイアグラ(シルデナフィル)で挿入時間が「長くなった」と感じた割合が83.6%に達した一方、60〜79歳ではシアリス(タダラフィル)の方が評価が高いという年代差も報告されています。
個人差が生じる主な要因は以下の通りです。
- EDの原因が器質性(血管・神経の障害)か心因性(精神的要因)かによる違い
- 糖尿病・高血圧・動脈硬化などの生活習慣病による血管ダメージの程度
- 体重・代謝・年齢による薬物動態の差
- 服用当日の体調・睡眠・精神的緊張の程度
1回試して効果を感じられなかった場合に「この薬は自分に合わない」と判断するのは早い可能性があります。
複数回試した上で医師と相談しながら種類や用量を調整することが、最適な治療を見つける近道です。
- Q海外通販や個人輸入で入手したED治療薬は安全ですか
- A
安全ではありません。
厚生労働省は「個人輸入される外国製品には品質・有効性・安全性の保証がない」と明確に注意喚起しており、医療機関も推奨していません。
インターネットで流通するED治療薬の約半数が偽造品であることが報告されています。
偽造品には有効成分が過剰・不足・まったく含まれていないケースや、不純物が混入しているケースがあり、服用した場合に想定外の副作用が起きる、または効果が得られないという健康被害が確認されています。
国内で正規に処方されるED治療薬は、日本の薬事法(医薬品医療機器等法)に基づき品質・有効性・安全性が審査された上で流通しています。
価格が安いからという理由で海外通販を選ぶと、そもそも何を服用しているかが保証されない状態になります。
「オンライン診療で処方してもらえる」という手段がある現在では、海外通販や個人輸入を選ぶ理由はほとんど残っていません。
処方を受ければ国内承認の正規品を自宅に届けてもらえるため、安全性と利便性を両立できます。
参考情報